Vol.10 エッジAIは末端で待ったなし!デバイス情報も紹介

Vol.10 エッジAIは末端で待ったなし!デバイス情報も紹介

現在、複数回に渡り弊社の各エンジニアが順々に技術情報について発信しています。
本日は、谷口誠が担当です。

エッジAIという言葉をご存知でしょうか。
カメラ、センサー、スマホといった端末にAIを搭載し、その端末内だけで処理を完結させる手法を指します。

エッジAIは端末内で処理を行うため、端末で取得したデータを外に出しません。

そのため、処理のリアルタイム性、通信コストの低減、セキュリティの強化といったメリットがあります。

エッジAIは、端末に備え付けるという特性上、AIの処理を行うエッジデバイスにサイズ・消費電力・スペックの制約があることが多いです。
なので、エッジAIを導入する際には、適切なデバイスの選択をすることが重要になります。
ここでは代表的なエッジデバイスをいくつかご紹介したいと思います。

■NVIDIA Jetsonシリーズ
GPUメーカーとして有名なNVIDIAが販売しているシングルボードコンピュータです。
シングルボードコンピュータのため、LinuxやUbuntuなどのOSをインストールして使用できます。
最大の特徴はGPUが搭載されていることです。画像系のAIの推論を動かすことも可能です。
エッジデバイスの中では、高価な分、高度な処理もこなせるハイエンド製品といった位置づけです。
amazonで販売されていますが、転売のターゲットとなって価格が高騰していることもあるため、そちらでの購入はおすすめしません。
公式のJETSON STOREから購入するのが最も安全です。
https://developer.nvidia.com/buy-jetson?product=all&location=JP

■ESP32
マイコンボードタイプのエッジデバイスです。マイコンなのでOSは搭載しません。
本体は300円台という低価格です。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-15675/
マイクに接続して「yes」と「no」を聞き分けるとか、カメラと接続して人の顔があるかどうかを検出する等の、AIを動かすことができます。
更に、Wi-FiやBluetooth接続も可能です。
ただし、価格相応にスペックは限られるため複雑な処理は苦手としています。例えば、顔認証に使える精度で人の顔を見分けることは難しいです。
実験用に使うならば、開発ボードでご購入いただくのが便利かと思います。
こちらは、現時点で価格高騰していないので、amazonでもお手軽に購入できます。
https://www.amazon.co.jp/ESP32/s?k=ESP32
技適取得済の製品と未取得の製品がある点にはご注意ください。
未取得の製品でも総務省の技適未取得機器を用いた実験等の特例制度
https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/exp-sp/
を使えば、180日間の実験用途ならば使うことができます。
ESP32を使ったAIを試してみたい場合は、TensorFlow Lite for
Microcontrollersというマイコン上でAIを動かすためのオープンソースライブラリがあります。
公式ページで学習済みモデルを使ったサンプルが公開されています。
https://www.tensorflow.org/lite/microcontrollers?hl=ja#explore_the_examples
興味がお有りでしたら、一度試されてみてはいかがでしょうか。

エッジデバイスの選定からシステム構築まで、弊社は総合的にサポートしております。
エッジAIの導入をお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。
谷口でした。

次号も、技術に関する情報をお届けしますので、ぜひご覧ください。