将来もしかして、ロボットが人間に対して反抗するかもしれない。
人間は進化の結果、利他的(自分を犠牲にして他社を優先する)な心を獲得したが、
人間の中にも悪人はいる。
「アトムは完全ではないぜ。
なぜなら、わるい心をもたねぇからな。
完全な芸術品といえるロボットなら、
人間と同じ心を持つはずだ
へへへへへへへ・・・・」
(わるい心(電光人間の巻)より)
人間とロボットの違い、
ロボットには心の潤いがない。
アトムは泣くことと怒ることはできるらしい。
でも、「きれい」とか「よかった」とか感じることはできない。
ある日、アトムはお茶の水博士に人間なみの心が欲しいとお願いする。
博士はしぶしぶ、心の源である心臓を、アトムの喉のところに付けてやる。
その結果アトムは、草花をきれいと感じることができるようになるが、
同時に、車などにも恐怖を感じるようにもなり、敵に対抗することができなくなってしまう。
最後にアトムは、ロボットには人間なみの心は必要ないんだと悟る・・・
手塚治虫氏の凄いところ、
ロボットの中枢機能の設計方法として、
作り込みの感情と学習をベースとした知能とによる構成、
すなわち感性が育まれない枠組みを提案したのである。
哲学っぽい、深い!