Vol.11 迷惑メールの判定にも応用 べイズ推論とは

Vol.11 迷惑メールの判定にも応用 べイズ推論とは

現在、複数回に渡り弊社の各エンジニアが順々に技術情報について発信しています。
本日は、紙尾哲平が担当です。

まだまだ進化し続けているAIですが、本稿ではAIの基本的理論の1つであるベイズ推論について簡単にご紹介します。
 ベイズ推論とは18世紀のイギリス人牧師トーマス・ベイズが生み出した、ベイズの定理を応用した推論方法です。
その実用例は自動運転、創薬、異常検知、商品のレコメンドなど多岐にわたります。

ベイズ推論の特徴は3つあります。
■ある結果が起こった時の原因の確率を求める。
私たちが中学・高校で習った確率の問題では「サイコロを振った時に、偶数の目が出る確率はどれだけか?」のように、
ある行為(原因)から結果が起こる確率を求めたと思います。ベイズ推論ではそれとは逆の計算を行います。

■主観的な確率を扱う。
 例えば電車で隣に座った人の性別を推論するとします。隣の人を全く見ない状態で推論すると、
 手掛かりがほとんどないので男性:女性の確率の比率は0.5:0.5だと推定したりします。
 また個人的な経験値としてこの時間帯はいつも男性の乗客が多いから男性の確率を0.7と推論することも可能です。

■推論結果を次回の推論の入力データに利用する。
上記の例でいうと、初めに男性の確率を0.7で推論した後に、隣の人の話声が聞こえて女性の可能性が高いと思ったとします。
そこで前回の確率から少し男性の確率を下げて男性の確率を0.3に更新します。
このようにデータを入力する度に確率を更新し推論の精度を上げていくことができます。

つまり入力データを学習し推論できる点がAIの基本的理論となっています。
そんなベイズ推論を応用した技術で身近なものに、電子メールソフトの迷惑メールのフィルタリングがあります。
機械学習の手法の1つ「ベイジアンフィルタ」を使用しています。
詳しく知りたい方はぜひ下記をご覧ください。
https://www.souya.biz/newsletter/lt.php?tid=rdAQh2cOKKyqJQJ9kiQlLFZzCoOGWoCJkguBZlnOhShCr9AVakGYZ69G812xqDc5

ベイズ推論について、ご理解いただけたでしょうか?
創屋は、統計解析やAIアルゴリズムを組み合わせ、様々な活用シーンに対応します。
ぜひ、ご相談下さい。
紙尾でした。