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コグニティブ・コンピューティングとは

いきなりですが、以下はIBMのWEBサイトによる IBM Watson の説明です。

「あらゆる情報から学習し、自然な対話を通じて、私たちの意思決定を支援するコグニティブ・コンピューティング・システムのひとつ」

ちなみに…
コグニティブ(cognitive) = 経験[事実]的知識に基づいた。
ということです。

■AIとの違い
AIの目的は、人間の知能を持つコンピュータを作り出す事。
Watson について、IBM はAIの技術を使っているがAIではない、と強調しているようです。
あくまで、「私たちの意思決定を支援する」ことが目的ということです。

■非構造化データ
「あらゆる情報から学習」とあります。従来(現在)のコンピューター・システムでは、いかにシステム・エンジニアが現実のモノ・流れをシステム向けに構造化するかが重要だと思います。コグニティブ・コンピューティングでは、構造化されていないデータからも分析が出来るという特徴があるので、精度が上がってくれば、システム・エンジニアの役割も変化しそうです。

■APIの公開
2016年2月から「日本語版 Watson API」が提供されています。
IBMのクラウドサービス Bluemix での提供ですが、少し触ってみる分には料金がかからないようです。

また、Microsoft でも「Microsoft Cognitive Services」として API が提供されており、
Microsoft のクラウドサービス Azureからも利用可能で、有償オプションはAzureのアカウントが必要になるようです。

■コグニティブ・チップ
IBM のWEBサイトによると…

「IBMは、100万個のニューロンと2億5,600万個のシナプスで構成される、脳からヒントを得たコンピューター・アーキテクチャーを搭載した新たなチップを開発」

とあり、従来のチップと違い、イベントドリブンで必要時のみ動作するため、温度・消費電力を抑える、とか。
ハードウェアも同時に進化させているようです。


考えてみれば、多くの人が何かを決めるときにとる行動の多くは、下記のようなルーチンだと思います。

端末でブラウザ/アプリ起動 → キーワードを入力して検索する → 一覧見る → 関係のある結果を見つけるまで、検索キーワードを変えて繰り返す → 得た情報をもとに判断する

このルーチンを話し言葉(自然言語)でやってくれる、と取るなら、本質的にやっている事は変わらないかもしれません。
記憶力と思考力は無関係では無い気はするので、ある種の思考力が低下するような気もしますが。

ところで、
IBMが開発したチェス用のAI(人工知能)であるディープ・ブルー(Deep Blue)が、当時のチェスの世界王者を打ち負かしたのが1997年。
気が付けばあれから19年も経っているんですね…。

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